ア字。毛筆と朴筆を合わせて表示。サンスクリットでは否定の接頭辞から、字義は「本不生」とされる。
日本密教の主尊である「胎蔵大日如来」の「種子字」ばかりか、総通字として全ての諸尊を示す。他、主に軍荼利明王、火天、火神、日光菩薩、日天、阿修羅などが、この阿字を種子字とする。又、ご存じの「阿吽あうん」の阿である。
梵字書道的には「阿字」は全ての書法の凝縮した形で、「阿字で始まり阿字で終わる」と言われる。
「阿字観」と言う大日如来の「種子字」で有る「阿字」の一字を瞑想し、宇宙と一体化すると言う密教の修行法がある。
仏教、書道、語学的にも最も重要な一字である。